お金がたまらない理由

 

何度も書いているが僕にはお金が無い。

 

アルバイトをする彼女と同棲して5ヶ月、月の食費は2人で3万円と決めているが多い時は5万近くまで使ってしまう。それでも、月3万円でも単純計算したら1日1000円で2人分生きるのは流石にキツい。外食が主に食費を苦しめているのだが、前にも記事にしたように外食は大切なことだ。

 

ルールを決めてから2,3ヶ月、なかなか上手くいかない状況が続いたせいで彼女が我慢することが多くなった。決して口では言わないが僕にはわかる。本当は、オシャレなカフェで食べたランチや2人で握りしめた映画の半券、おニューの洋服で出かけた彼女の後ろ姿、楽しいの全てを画像に収め、週末にはLINEアルバムに追加して、かつInstagramに上げたいと思ってる。

 

でも、現実は違う。

 

大雨の中、近所の丸亀製麺で1番安いかけうどんを迷いなく選択する。天ぷらの取り皿なんか彼女には見えていないようだ。作り笑顔が僕を悲しくさせ、堪らず僕のかけうどんにいも天を1つ足して半分こして食べた。たった100円のいも天の半身でも彼女は「ありがとう」と言って食べてくれた。

 

惨めな気持ちになった。

 

丸亀製麺を悪くいうつもり更々無い。悪いのは彼女の大好きなえび天(150円)を目の前に立ち止まった挙句買わない僕だ。勿論、彼女に好きなうどんを食べてほしいし「好きなのを食べていいよ」と言っているが、「これでいいよ」「お金ないし」と悲しく笑うので、僕はどんどん惨めになって怒りとは違う気持ちがやり場を求めて喧嘩をしそうになる。好きなうどんを食べさせてやれない自分の経済力の無さを嘆いた。

 

最近の休日はいつもこう。

 

夜ご飯はカレーを作ると決めてたが、買い出しの時に彼女が「チーズハットグを作りたい」と言った。僕にはそれがすごくすごく嬉しくて、絶対に成功させるぞと張り切った結果、僕らには高すぎる出費になったけど全く気にはならなかった。

 

買い出し中に言った「お寿司も食べたい」は冗談かと思っていた。

 

たぶん丸亀製麺で我慢しすぎたのが彼女の中で爆発したのだと思った。チーズハットグの材料に対して「お金使いすぎちゃったね…ごめんね」と言ってたのは何だったのか。

でも、スシローで食べたカツオのたたきと焼き鯖、えびトマトバジルが美味しいと分かりとても幸せそうな顔をした。作られた顔じゃない紛れもなく純度100%の幸せな顔を見ただけで心がいっぱいになって、全てが救われた気がした。帰りに「明日も来ようか」と冗談交じりで言ったら満更でもない顔をした。

 

幸せが約束された瞬間だった。